社会福祉法人くちなしは、福祉の現場で働く者として、利用者さんに愛情を持って接する人になるために、
職員に対する「心の教育」を徹底しています。
毎日の朝礼で心の教育の時間を設け、利用者さんに対して「面倒をみてやる」「やってやる」という気持ちで接してはいけない。
「お世話をさせていただく」という心に入れ替えることによって感謝の気持ちが湧いてくるもの。
そして利用者さんの胸を借りて自分自身を成長させていくことを教育しています。
車椅子の人と話をする時は立って話さず目線の高さを同じにして話すこと。
相談や悩みごとを聞く時は相手のひざに手を当てたり、手を握るなど心のぬくもりを感じてもらいながら話し合うようにすること。
また担当職員は毎朝の出勤時に必ず担当利用者全員にあいさつし、顔色や表情などから体調や精神状態を感じ取り、
すぐに対応・問題解決にあたるようにしています。
中学校への福祉教育
千葉市緑区の土気地域にある中学校に利用者さん達が出向き、生徒達と交流しながら親交を深め、そして障害を持った人達が今まで経験してきた差別や辛さ・これからどういう社会になってほしいか等を直接話してもらい、そのリアルな声を聞いた生徒達が障害についての関心を持ち、これからの福祉や社会を考えていくための取り組みです。
平成29年度から始めた取り組みで、これを長くを続けていくことが大切だと考えています。そして将来の土気地域が福祉に関心のある街になるようにしていきたいと思っています!
ふれあい福祉フェスティバルの開催
土気地域の12の福祉団体と有志で実行委員会を構成し、毎年10月下旬の土日の2日間に渡り、JR土気駅前バーズモール広場で開催しています。
参加団体は社会福祉協議会、障害福祉関係団体、高齢者関係・地域包括支援センター、NPO法人 等で、ステージでの催しと障害を持った方達が作っている手作り作品や食品の販売を行い、福祉相談コーナーなどもあります。
ステージでは福祉団体や一般市民も参加してバンド・楽器演奏、合唱、ダンス、オーケストラなど、様々な団体が素敵なパフォーマンスで盛り上げてくれます。
セルプ・ガーデンハウスは令和元年度より実行委員会の事務局を担当しています。
緑区ふるさと祭りでの福祉啓発
毎年11月上旬に千葉市昭和の森公園で開催される『緑区ふるさと祭り』にて、多くの来場がある一般市民への福祉啓発を行うためのブースを出しています。
約10年間くらい「やさしい街作りコーナー」と称した看板を立て、電動車イスや車イスの体験講習、高齢・障害の麻痺体験、福祉車両の見学・体験を行ってきました。
そして2018年からは、2020東京パラリンピックでの種目である「ボッチャ」「ゴールボール」の体験コーナーを設けて、それぞれの種目を体験してもらうことで障害者スポーツ(パラスポーツ)への関心を持ってもらい、福祉の啓発につなげています。
近隣地域への福祉啓発(救命講習会の開催)
セルプ・ガーデンハウスは残念ながら千葉市緑区土気地域のはずれにあります。地元は大野町で、別法人の施設が隣接し、近隣には千葉土気緑の森工業団地があります。
しかし工業団地からは少し奥にあるため、おそらくはこの地域に複数の福祉施設があることは殆どの方は知りません。
そこで、隣接する施設職員や工業団地の方々に声をかけ、千葉市防災普及公社による普通救命講習会を開催して施設に足を運んでもらう取り組みを行っています。毎年約30名の方が参加し救命講習の修了証をいただき、講習会後に施設見学を行って福祉の啓発につなげています。
献血・ボランティア活動
・1年間に2回、千葉県赤十字献血センターの献血車に来てもらっています。社会貢献の一つとして献血への協力を行い、近隣住民や施設職員にも声をかけ実施しています。
・施設の立地条件が悪く不便な所にありながら、多くのボランティアさんたちが支援に来てくれ、そのお礼の意味も含めて社会奉仕活動をしようと職員ボランティアグループが結成され、千葉市のボランティアセンターにも登録しています。活動内容は主に地域の清掃(年4回、粗大ゴミも含む)、学校のトイレ掃除 他です。ボランティア活動を通しての自己成長の場ともなっています。
入所施設の利用者さんが施設内で投票することができる不在者投票を行っています。
「入所する以前は自分で投票に行っていた」人や、「入所後も家族の送迎で投票に行っていた」人も多くいました。しかし環境や家族状況の変化と共に投票に行けなくなった人が増えてきました。
セルプ・ガーデンハウスでは、開設以来ずっと選挙に対する意識付けを行い「自分達が暮らしやすい社会は自分達で作る。そのために投票する」よう促してきました。そして平成27年に「不在者投票のできる身体障害者支援施設」指定の申請が受理され、もともと投票に行っていた人そしてそうではなかった人も、毎回一般よりも高い投票率で不在者投票が行われています。
平成14年1月16日、セルプ・ガーデンハウスのある大野町の町内会と
「地域防災協定」を締結。
社会福祉法人がこうした協定を結ぶのは全国でも例のないことで消防関係者からも高い評価を受け、また県外の消防関係者から問合わせがきたりしていました。
入所施設では職員体制が少ない夜間の災害対策が大きな課題です。
セルプ・ガーデンハウスは定員33名の利用者さんを有事の際に全員無事に避難させるため、大野町消防団との合同訓練を年に2回行っています。
千葉市緑区大木戸町大野町内会と社会福祉法人くちなしは、地域防災計画の一環として下記内容について協定を締結する。
1.大野町内会の会員が地震、災害などで家屋が倒壊、焼失した場合、社会福祉法人くちなしはセルプ・ガーデンハウスを開放、一時の仮の宿として提供する。
2.(イ)通信手段が不通になった場合、セルプ・ガーデンハウスの無線機を搭載した車両並びにトランシーバーを町内の連絡用として提供する。
(ロ)また大野町内会災害対策本部としてもセルプ・ガーデンハウス(無線の基地局)を提供する。
3.セルプ・ガーデンハウスが有する車イス、車両など機材も提供する。
4.大野町内会の会員は社会福祉法人くちなしセルプ・ガーデンハウスで地震、火災などで利用者が避難する場合、消火、避難誘導を支援、協力する。
5.その他、災害時には双方が協力し合って救済し合う。
県内有数の進学校でもある渋谷幕張高校。その学校の吹奏楽部と社会福祉法人くちなしは永い交流の歴史があります。
施設建設運動が展開されていた平成5年から、渋谷幕張高校吹奏楽部の皆さんがその運動を応援してくれるようになりました。毎年開催される定期演奏会で施設建設運動の紹介をして募金を行い、集まった金額を寄付してくださる応援を施設が開設するまでずっと続けてくださいました。
そして施設が開設してからはその交流がさらに広がりました。
毎年春に、吹奏楽部の先輩方や多くの方々の支援により建設された施設の見学会を兼ねて、セルプの利用者さんへの演奏会を開催してくれるようになりました。
そして音楽クラブが結成されてからは、毎年メンバーの定期演奏会への招待とステージ出演をさせていただいています。そして来場者への募金と集まったお金の寄付も変わらずに続けてくださっています。
春の施設見学・演奏会も、定期演奏会への招待も、利用者さん達には大きな喜びと、クラブ活動の励みになっています。
心温まる交流が永く続いていることを本当にありがたく思っています。
平成14年8月13日、韓国・ソウルにある韓国最大の社会福祉法人 恩平天使園にて姉妹関係協定調印式が行われ、
社会福祉法人くちなしとの姉妹関係を締結しました。
1.両法人は、両国の身体に障害のある人たちの福祉の向上を図るため職員が相互に訪問し研修、障害者の処遇のレベルアップに努める。
2.両法人は、両国の身体に障害のある人たちにも相互訪問できるよう努力し、国際親善に努める。
3.両法人は、身体に障害のある人たちの作品を相互に交換、文化活動を展開する。
4.両法人が相互訪問する場合、出来る限りの便宜供与を行なう。
姉妹関係が締結されてから平成20年頃くらいまで、職員の訪問・研修や韓国からの視察団の訪問など、活発な交流が行なわれました。
平成16年10月27日~31日にかけて千葉市ハーモニープラザで、妹関係締結3年を記念した「日韓友好親善障害者作品交流展」を開催。
そして平成19年8月13日~18日には韓国・ソウルにて姉妹関係締結5周年を記念した「韓日障害者作品交流展」が催されています。